インプラントとは
インプラント治療とは、ネジのようなチタン製の人工歯根を歯を失ったあごの骨に埋め込み、その上に人工の歯を取り付けることで、歯としての機能を取り戻す治療法です。
インプラント治療は、まず人工歯根をあごの骨に埋め込むために外科手術を行い、骨と人工歯根が結合するまで3から6ヵ月ほど待ちます。骨との結合が確認できたら、インプラントに人工の歯を取り付けます。
インプラント埋入から完成まで
一次手術

歯の無い部位の歯肉を少し切開して骨を露出し、インプラントを埋入する穴をドリルで形成します。

形成された穴にインプラントを植立します。
多くの場合、骨欠損があるので骨移植(GBR)を併用します。
一次手術終了

インプラントを完全に骨の中に埋入した後、歯肉を縫合します。縫合は約一週間後に抜糸します。
移植した骨も3〜6ヶ月で生着します。インプラントが骨と結合するまで一定期間待ちます。
上顎で4〜6ヶ月 / 下顎で3〜4ヶ月
二次手術

一定の治療期間ののち、再び歯肉を切開してインプラントを露出し、歯肉を整えるための治療用キャップ(歯肉フォーマー)をつけます。
これは新しく作られるインプラント歯冠の周囲粘膜を整えるために大切です。
治療用キャップを装着して2〜3週間待ちます。

治療用キャップをはずしてアバットメントを装着します。

ネジで歯冠をインプラントに固定して完成です。
入れ歯とインプラントの比較
比較項目 | インプラント | ブリッジ | 床義歯 |
---|---|---|---|
長期信用性(残存率) | ◎(10年で90%以上) | △(8年で50%) | ×(4年で50%) |
残存組織の保護 | ◎ | ×(歯質の削去、咬合負担の増大) | ×(鉤歯の喪失、顎堤の吸収) |
咬合咀嚼力 | ◎ | ○ | × |
審美性 | ◎ | ○ | △ |
異物感 | ◎ | ○ | × |
費用 | × | ○(保険) | ◎(保険) |
インプラントは入れ歯やブリッジと比べ、残存歯を守るという点や、ご自分の歯と同じくらい強い力でかめるといったメリットがたくさんあります。
費用はかかりますが、将来的にみれば安い投資ではないでしょうか。
炎症のコントロール(歯垢、プラークコントロール)と、インプラントによる適切な力のコントロールにより、毎日の食事をより快適にとることが出来、お口からはじまる健康のサポートをできることがスタッフ一同の願いです。
インプラントの手術を受けられた方の手術後の注意
1. 出血
1. 手術当日は、うがいをしないで下さい。うがいを頻繁にしますといつまでも血が止まらないばかりは、痛みや治療を悪くする原因となります。
2. 普通1日位は唾液に血が混ざりますが、出血が多いときはご相談ください。
2. 痛み・薬
手術直後に鎮痛剤を飲んでいただきますが、その後痛みが出るようでしたら、もう一錠(合計二錠)鎮痛剤を服用してください。 それ以上は6時間あけてください。また、痛みがなくても鎮痛剤以外の処方された薬は、体に変調(腹痛・下痢・湿疹等)がない限り指示通り服用ください。
3. 食事
食事は麻酔がさめてから、やわらかいものを反対側でかむようにしてください。
手術部位に刺激が加わると感染の原因になったり、インプラント手術の失敗につながりますのでご注意ください。
熱いもの、刺激物も要注意。
4. 腫れ・内出血斑
顔の腫れや内出血斑(青あざ)が、人によっては出ることがあります。
腫れは2〜3日目がピークになりますので、2〜3日間冷水で湿布してください。(20分毎)
しかし氷などの極端に冷たい湿布は、かえって治癒を悪くしますのでさけて下さい。
内出血斑は数日で自然に消えていきますので、ご心配いりません。
5. その他の注意事項
- お風呂は軽く流す程度か、シャワーにしてください。
- 飲酒・喫煙は控えてください。
- 過激な運動は避けてください。
- 処置した所を指や舌で触らないでください。
- 毎食後及び1日数回は、含嗽剤で消毒してください。
- 今まで使用されていた義歯は使用しないでください。